いかがですか? スネアドラムの3大基本奏法である、シングル・ダブル・バズロールは、指によるリバウンド速度のコントロールという、たった一つの原理だけで可能なのです。
従って、この技術こそが、西洋ドラミング独特の、かつ最重要なスティックテクニックだと、僕は考えています。
バズとダブルに関しては、過去の動画ページで解説していますので、今回は、シングルストロークへの応用の仕方を、動画だけでは分かりにくい部分も補完して、書いておきます。
人差し指と親指を、一定のゆるさにしてスティックを持ち、スネア上でバウンドさせると、ほぼ一定の速度で4〜6打程度ハネた後、エネルギーを失って打面の上に止まります。
ハネる速度(周期)は指の締め具合でコントロールでき、ゆるめれば遅く、締めれば速くなります。これは、バズロールや実用ダブルストロークの時と同じです。
次に、脱力した中指・薬指・小指の3本を、スティックに触れさせたまま同じようにバウンドさせると、「スティックによって指が動かされる」状態を体験出来ます。
もちろん、指の数が増えた分、スティックのバウンドする回数は減りますが、指を動かしながらでも3〜5打ハネ続ける力を、スティックと打面が持っているのを実感して下さい。
ここで、人間がやる事は、一定の速度でバウンドし続けているスティックに、指の動きをシンクロさせるだけです。
すると、本来なら、だんだんエネルギーを失って、4〜5打で止まるはずのスティックに、指から新たなエネルギーが供給され続けるので、延々とバウンドが続くわけです。
当然ながら、この技術をマスターしたからと言って、いきなり、バディ・リッチやマイク・マンジーニのような、シングルストロークの達人たちに近づけるわけではありません。
しかし、この技術を基本に練習を積むなら、「到底無理」だと思っていたことが、時間と努力次第では「かなり近づく事が可能なこと」へと変わるのです。
それは、とても大きな意味があることだと、僕は思います。
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